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『チャレンジャー』として・・・:亀山耕平選手ロングインタビューVol.3(最終回)

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あん馬のスペシャリストとしての地位を確立させた亀山耕平。
しかし最終目標はあくまでオリンピックだ。
結果を残したことでその気持ちはさらに強くなった。
あん馬とともに戦う覚悟がここで語られる。 

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「選んだ」のではなく「選ばれた」道

――11月2、3日には全日本選手権の団体戦がありました。徳洲会体操クラブのチームとしても強くなっていきたいという思いはありますか。

亀山 そうですね。ほんとみんなで競い合って強くなっていきたい。そのために今は、個々として強くなるためにみんなが頭を使って、チームとしての底上げをしながら、よりチームワークを発揮できるように頑張るっていうような段階です。その過程を作っているところですね。

――チームとして強くなるためにチームワークも必要。

亀山 そうですね。個人でやっている感覚がチームの色として強かったんですけど、そういうのじゃダメなのかな、って。今回の全日本団体戦でも、KONAMIが優勝して、僕らは勝ちに行ったけど4番で。やっぱなんか違うんだろうなって思った時に、そういった考え方になりました。

――なるほど。そういうことを冷静に見て、「じゃあ何かを変えていこう」って思えるいい年齢なのかもしれません。アスリートの方はがむしゃらになったり、気持ちだけ前面に出て空回りしたり、ということがありますからね。

亀山 あります。僕はもう、もろそういう感じだったんで(笑)。

――あはは。だからやっぱりそうやって考えると、フィジカルだけではなくて、心と合っていかないと、ほんとの強さって出てこないんでしょうね。

亀山 そうかもしれないです、ほんとに。

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――体操競技はアクロバチックなところに目が行きますけど、「自分が思ったように体が動くか、いかに正確に動かすのか」といったような頭と体が一体化するという、そこが真髄なのかなと感じました。特にあん馬は落ちるリスクが高い分、とてもデリケートな種目だと思います。

亀山 そこが得意種目になっているっていうのはちょっと……(苦笑)。

――常に落下のリスクと戦わないといけない。

亀山 そうなんですよね。だから結構怖いんですけど、そこと向き合わないと僕の道はないので。しょうがないんですよね。

――『なんで得意種目があん馬なんだろう』と思ったことはないのでしょうか?

亀山 いやあ、ありますよ。

――あるんだ(笑)

亀山 だってまあ、比較的失敗しやすい種目ですし。でも僕、生まれた時から、あん馬が得意な選手っていう風に向いていったと思うんですよ、勝手に。例えば、手が長いとか足が長いとか、足先がきれいとか、そこは意識して変わっていった部分ではなかったので。自然にそういった方向に向いていきました。だから結局あん馬に向くので、『あの時これを選ばなきゃよかった』というのはないです。

――そこは自然の流れなんですね。

亀山 得意なものはほんと勝手に伸びていくので。

――それによって、この人はこういうのに向いている、というのが出てくる?

亀山 そういうのが出てきたりすることもありますね。

 

夢から目標へ〜リオへ遙かなる想い〜

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――オリンピックまであと2年半です。

亀山 2年半の準備期間、ですね。

――あっという間ですね。

亀山 そうです、そうなんです(笑)僕やること多くて困ります。

――たとえば?

亀山 あん馬だけじゃ戦えないので、「じゃあどういう風に他の種目を伸ばしていこう」ってなった時に、まあいろいろ。道はひとつじゃないとは思うんですけど、より正しくいきたいので。

――そうですよね。前回のインタビューでは、あん馬だけ練習するのも良くなかったとも言われていました。

亀山 試合に向けての調整の仕方としてよくなかったなっていう風に思ってました。

――全種目を均等にやりながらあん馬に入っていくというのがひとつ、それが正しいんじゃないのか? って感覚がある。

亀山 そのようにその時は思ってました。でもそれが正解かどうかは分からないです。

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――2年半というのは、長いようであっという間に来ると思います。

亀山 あっという間なんですよね。それをどうするか、ですね。

――オリンピック、行きたいですね!

亀山 行きたいっすね。

――メダルにも期待してしまいます。

亀山 そうですね~。でも今回の金メダルを取るのに20年くらいかかったんでね。

―― 一番初めに金メダルを取りたいと思ったのはいつですか?

亀山 記憶にある範囲で……、小学生くらいの時に、ほんと漠然と、「オリンピックに出たいな」とアトランタオリンピックを見ていて思いました。96年は小学校2年生なんですけど。

――当時の選手は?

亀山 塚原(直也)さんとかが若かった頃ですね。でもなんか形になりそう、っていうのは社会人になってからですかね。ただ、目指してはいましたけど漠然としていましたね。今考えると徹底はしてなかったです。

――それが少しずつ見えてきたという感じなんですね。今回、世界選手権で金メダルを獲得したことで、立場が変わっていくのではないでしょうか。追われる立場となり頂点にい続ける難しさというのを感じているのでは?

亀山 それはないですね。このままこの演技をオリンピックでやったとしたら金メダルは取れないと思うんで。みんなうまくなっていくし、時代は流れているっていうか。そういう部分があるので、自分自身も成長しないと次のことはないですね。

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――もう次を見ている。

亀山 この結果は過去なので。そこ(今の結果)に囚われた瞬間に僕はもう終わってしまうと思うんです。すごいと言ってもらえるのはうれしいのですが、でも越えていかないと。そのためには未来でちゃんとそれ以上の自分で、結果を出さないといけない。だからほんとチャレンジャーですね。

――最終目標はやっぱりオリンピック?

亀山 オリンピック行きたいですね。ほんと、行きたいです。

――そうですよね。体操をやられる方はそこに憧れているのだと思います。

亀山 そうですね。特に今回のように代表として試合をさせてもらえたことで、より一層強く思うようにはなりました。「行けるかもしれない」っていう可能性が見えてきたので。

――そのためにも進化し続けないといけない。

亀山 はい。もちろん、そうだと思います。

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[Interviewer:Gouji “BJ” Hamakawa TEXT:Chiharu Abe Photo:sohta kitazawa]

About hamabo

GymnasticNewsの編集人&発起人。元々はサイクルロードレースの取材をしていたが、タロケン&chiharuの”体操愛”に感化され体操を見るようになった体操素人。素人ならではの目線を大切に現在"体操"を勉強中。

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