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【体操初心者観戦記】初めて”体操”を見に行ってきました!! 

”実際に試合を見に行ってみよう!!”と思っても、なかなか初めてではハードルが高い・・・
そんな体操初心者の皆さん向けに、体操観戦初心者のGymnasticsNewsスタッフのデザイナー”ころん”さんに体操初観戦となった豊田国際のレポートを書いてもらいました。
これを読んで”面白そう!!”と感じた方は是非とも2014年は生観戦にチャレンジしてみてください!!。

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2013年12月14日・15日愛知県の豊田市総合体育館(スカイホール豊田)にて開催された「豊田国際体操競技大会」を観戦に行って来ました。
www.toyota-taiso.com
前身は1970年より「中日カップ名古屋国際体操競技選手権大会」として名古屋市総合体育館で開かれていた国際大会で、古い歴史を持つ大会です。
「中日カップ」の時代には種目別と個人総合を行なっていたとのことですが、途中3年休止したのち、豊田市に会場を移して復活し、有力選手を集めて男子6種目、女子4種目の種目別を争う大会として開催されているものがこの「豊田国際体操」ということのようです。

体操競技を生で観戦するのは初めてということで、ワクワクする気持ちを多少抑えながら、今回は初心者目線で大会や会場の様子を観察してきました。

豊田スカイホール
豊田スカイホール

会場であるスカイホール豊田は、名鉄三河線「豊田市駅」から徒歩15分程度の豊田市中心部にあり、駐車場もたっぷり用意されていて、とても美しい施設です。
www.toyota-taikyo.or.jp/skyhall/hall.html
開場時間を過ぎほどなくして到着すると、そのたっぷりな駐車場もすでに満車状態。
係の方に臨時駐車場へと案内されました。
おそらく自由席を購入されているお客様が、どうせならできるだけ会場内の好みの席に座りたい!という思いから、開場時間早々に集中したものではないかという気がします。それだけ多くの方々に長く愛され続けている大会ということでしょうね。
正直、こんなにたくさんの方がいらっしゃる大会と思っていなかったので、ビックリしました。

賑わうエントランスホール
賑わうエントランスホール

会場に入ってまず目にとまったのは、エントランスホールに並ぶ出店。ここでは軽食や飲み物、そして地元の名産品、体操競技用のレオタードの販売などが行なわれていました。
この大会を楽しみに遠方から来られるお客様に郷土自慢の品々を紹介し、開催地である愛知県、豊田市の良さを知っていただこうという演出なのでしょう。こういうお店は遠方から初めて愛知県を訪れた私のような者にとっては、その土地の文化に触れるとても貴重な機会であり、距離的にはかなり遠いはずの豊田市という場所をより身近なものに感じさせてくれるきっかけになってくれます。

施設内を歩いていると、フロアに矢印が書かれてあり「ランニングコース○m」といった表示をたびたび目にします。
話によると、施設内には1周365mの屋内ランニングコースが設けられており、これは無料で利用する事ができるようになっているとのこと。運動の前のウォーミングアップや日々のトレーニングなどで地元の方々が利用されているようです。
屋内コースということで、雨風など天候を気にせず、いつでも同じコンディションでランニングできるというのはありがたいシステムですよね。そういうちょっとしたことから、この施設が日頃から地元の皆様と近い距離で存在しているということを感じます。

そう、ちょっとしたことではあるんですが、大会を気持ちよく観戦できるかどうか。それは大会が行われる会場がどういう状態なのかという点に意外と大きく左右されると思うんです。
例えばトイレ。女性は特に気になるところで、これが荒れ放題だったり大渋滞だったりすると長時間ここには居られないかもと思ったりもするものですが、この会場内にはトイレが多数あって、どこもとてもキレイにしてあって安心でした。
このスカイホール豊田のすっきりとした明るさ・キレイさや、日々多くの方々に親しまれている様子を感じると、私のような初心者も、あたたかく迎え入れてくれているような気持ちになるから不思議ですよね。

エントランスホールに展示された世界選手権のメダル
エントランスホールに展示された世界選手権のメダル

会場内は熱気で溢れていました。
体育館ということで底冷えなどを心配していましたが、しっかりと空調が効いていてむしろ暑いくらい。12月の体育館なので足下の寒さを心配していたんだけど、ひざ掛けなども特には必要ありませんでした。ただし、その空調の関係もあってか空気が乾燥しているらしく、短時間でとても喉が渇きました。
それもあって、エントランスホールの飲み物の販売はとても助かりました。金額も良心的で、私は土・日曜日ともにその飲み物のお世話になりました。

席はあまりゆとりがないので、手荷物はなるべくコンパクトにまとめた方がいいかもしれませんが、映画館のように席が段になって並んでいるので、前の席の人の後ろ頭で選手が見えない!ということはありません。また、種目によっては自分の席から遠いエリアで競技が行なわれることもあるため、高い位置の席に座った方が全体を見わたしやすいと感じるかもしれません。
ただし、そうなると競技している選手からより距離が遠くなってしまうわけで、ここで便利なのが双眼鏡です。

私はこれまで双眼鏡を使った事がなかったので、どういう双眼鏡がいいのかなど非常に迷いましたが、3000円前後の比較的安価でコンパクトな8倍の双眼鏡を準備していきました。それでもあるのと無いのとは大違いで、おかげで細部までばっちり確認できました。それこそ、これから演技します!という選手の緊張した表情や、ピンと伸びた指先、平均台の端にかかる小指まで。
双眼鏡は体操競技の観戦にはぜひおすすめしたいアイテムのひとつです。

大会は、オリンピックメダリストであり現:池谷体操倶楽部代表の池谷幸雄さんの軽快なMCとともに進行していきます。
競技の合間に、今から競技する選手の紹介やその選手の特長、またその種目の歴史や器具の説明など、初心者にもわかりやすい興味深いお話をしてくださり、初めて見る方も飽きずに観戦できます。

池谷さんのお話によると、この豊田国際を見に来られる方々の半数が初めて体操競技を観戦する方ということらしいので、こういうMCが競技についてより興味を持つきっかけとなるかもしれず、こういう演出もアリだなと感じました。
ただ逆に考えると、残りの半数の観戦経験者である競技に詳しいファンの方にとっては、若干の物足りなさを感じる内容だったのかもしれません。

そういった方々にもより楽しんでいただけるように、美術館などでよくあるような、音声ガイドシステムとかあると面白いのかもしれませんよね。選手の演技と同時にその技について解説してくれる音声ガイドが聞けるラジオの貸出しのような仕組み・・・。
観客数が多いし、種目別の場合は複数の種目が同時に行なわれる事があるので、あまり現実的な案ではないかもとも思いますが、どういった形でも、詳しい方もより深く楽しめるための何かもう一工夫があってもいいのかなと思ったり。

私の場合は、体操競技に詳しいGymnastics Newsのスタッフ”タロケン”と共に観戦することができたのでとてもラッキーでした。わからない事、疑問に思った事を常に質問しながらの観戦で、まさに「リアル双方向音声ガイドシステム」を独占していた状態。タロケンにとっては迷惑な話だったかもしれませんが、今まさに演技が始まろうとしているその選手の情報や、見るべきポイントなどを側で教えてもらうことができて、とても勉強になったし、これがあるのと無いのとでは全然楽しさが違っていたかもと思います。

ダイナミックな技が演技が繰り広げられる
ダイナミックな技が演技が繰り広げられる

競技は、男子が6種目、女子が4種目を種目別で競うということで、場合によっては男女の2つの競技が同時進行で行なわれることがあります。そうなるとどっちの競技を中心に観戦するか?と迷ってしまう場面もあり、また種目によっては演技が一瞬の場合もあるので、観戦する側も結構忙しく、時間が経つのはあっと言う間でです。

有名な選手達が多数出場するという贅沢な大会だけに、見所は満載。噂に聞いていた「シライ/キムヒフン」や「シライ」などの技が目の前で繰り広げられるのを見ることができて感激しました。しかし、これは側でタロケンが解説をしてくれたから「あぁ!これが噂のあの技か!」と思うことができたわけで、何も知らずにただ一人で見ているだけだったら、どれがその技なのか見逃していたかもしれません。

実は私、フィギュアスケートの観戦が好きで、それをより一層楽しむために、各ジャンプの種類を繰り返し繰り返し見て勉強したことがあるんですが、体操も・・・というか、どのスポーツでも同じだと思いますが、一通りのルールや技、その選手の特長などを知っておくと、見るべきポイントをしっかり集中して見ることができ、もっと深く楽しむことができるんだろうと思います。
Gymnastics Newsサイト内でも、今後そういう初心者向けにルールや技を紹介するようなコーナーが充実していけばいいな。

競技を見ていてふと目に留まったのが、必ず審判の前に入場した選手たちが整列している様子。
些細な事ですが、これは意外と珍しいことですよね。
サイクルロードレースのスタート前だと、選手たちは集団でスタートラインの前に整列して、スタートの合図を待つのみです。
ボクシングでは開始前にジャッジの説明を聞き、対戦相手とグローブを合わせたりしますが、審判の前に整列して・・・みたいなことは他の競技ではあまりないように思うんです。
整列して、ゼッケンがちゃんと付いているかを確認して、本人確認をして・・・といったこと?とも思ったんですが、ジャージを羽織ったまま整列している選手もいて、それだと当然ゼッケンは見えないので、何かを確認している・・・といった感じともちょっと違う。

そこで私の「リアル双方向音声ガイドシステム」であるタロケンに質問すると、おそらくそこまで何か特別な理由があるわけではなく、単なる「お世話になります。よろしくおねがいします。」というご挨拶ではないか?とのこと。
なるほど。話には聞いていたけれど、体操界はとても礼儀正しい世界なのかも。
以前Gymnastics Newsのスタッフが取材のため選手の練習場所にお邪魔させていただいた時には、小さな子供たちから、見も知らぬだろう自分たちに、普通に挨拶されてビックリしたのと同時に、大人である自分たちの挨拶のできなさ加減を恥ずかしく思った・・・という話を聞いたことがあったのを思い出し、この礼儀正しさ、感謝の気持ちが体操界の背骨なのかもしれない・・・と感じました。

もう一つ目に留ったのが、大会のお手伝いをされている方たち。
会場内にはお揃いの赤いTシャツを着たスタッフの方が多数いて、いろんな役割で働いていらっしゃいました。
会場の入り口でチケットをチェックする係、施設内を回って撮影の禁止などを呼びかける係、入場する選手の誘導係などなど・・・。

迫力満点の演技
迫力満点の演技

そのスタッフの多くが、体操競技に関わっていらっしゃる方なんだろうなと思われる、背筋がピンと伸び、髪をキュッと束ねたまだ学生さんらしき女の子なんですが、そんな中でも気になったのが、採点票を集める係のスタッフの方。
演技の見える位置に、Dポイント、Eポイントの採点をされる審判の方が数名着席されているのですが、その審判の人数と同じ数のスタッフさんが側にシュッとした姿勢のまま座って待機していて、一人の演技が終わり審判の採点が終了すると、そのスタッフさん達がスクッと立ち上がり、自分の受け持ちの審判の方の所に行って記入された採点票を受け取り、それを集計場所まで持って行って係の方に手渡します。
この様子、見ていて実に気持ちがいいんです。待機している複数人のスタッフさんが、呼吸を合わせてスクッと同時に椅子から立ち、シュッとした姿で票を受け取って・・・という様子が。

しかし冷静に考えると、採点する審判の方が手元にパソコンを持っていて、そこに入力すれば瞬時に集計ができる・・・みたいなシステムを準備するのはそう難しいことではないような気もしたんですよね。それが出来ればお手伝いのスタッフさんの人数も削減出来るし。
そこで、どうしてその採点票を受け取って次に渡す係が必要なのか?を、自分なりにあれこれ考えてみたんです。
まぁもしかしたらそこまで深い意味はなく、以前からの習わしとしてこの形が残っている・・・とも考えられるんですが、そうして小さい頃からこういった大会を支える側の仕事に関わることで、憧れのトップ選手の演技を間近で見て、自分ももっとがんばるぞ!と感じてもらえるように・・・というのと同時に、自分が大きくなった時、やっぱり自分もたくさんの人達に支えられて競技を行なってこれたんだなと、感謝できる選手に育つように・・・ということなのかもと思ったんです。

そう考えると、先の、演技の前に審判にご挨拶している様子や礼儀正しさ、すべて納得がいくように思えて。
自分一人でやっていけるわけじゃない。そこには大会を支えてくださっているスタッフの方、審判の方、所属クラブの方、また家族や自分と同じ選手達・・・さらには、取材をするプレスの人たちや観客のみなさん・・・たくさんの人が居て支えあって競技が続けられている。それを常に忘れず、感謝の気持ちを持ち続けながら選手として精進していく・・・そういった精神が広く深く根付いていて、その長い歴史が今の強い体操ニッポンを作り支えているということなのかもしれない・・・。
そんな事を思いながら初観戦を楽しんだのでした。

初観戦の興奮もあって、ついつい長くなっちゃいましたが、まとめると
・「豊田国際体操」は豊田市総合体育館(スカイホール豊田)で開催されている種目別の大会
・「スカイホール豊田」は、名鉄三河線「豊田市駅」から徒歩15分程度
・自由席での観戦の場合は早く入場した方がいいかも
・会場内での寒さは心配しなくて大丈夫
・双眼鏡を持って行くともっと楽しめる
・全然知識がなくても楽しめる敷居の低さで安心
・でも詳しい人と一緒に観戦できるとより楽しめる
・選手の演技以外の部分もじっくり見るとおもしろい
といった感じかな。

観戦初心者の私も十分楽しめる大会でした。
可能ならぜひ来年も見てみたいし、この大会以外の大会も見てみたいし、体操競技をもっと深く知りたい・・・そう思わせてくれる、最初の一歩向きの大会かなと感じました。
このコラムが他の大会全てに当てはまる情報ではないかもしれませんが、来年もおそらくは開催されるだろうこの「豊田国際体操」にちょっと興味が沸いてきた!という方がいらっしゃって、来年「自分も行ってみたよ。面白かった!」という声が聴ければうれしいなと思います。

【 TEXT:colon】

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