Home / Report / 全日本体操種目別選手権2014 / 【速報】第68回全日本体操種目別選手権大会 予選結果

【速報】第68回全日本体操種目別選手権大会 予選結果

HSK-9184

7月5日全日本体操種目別選手権・予選が千葉ポートアリーナで開催された。
種目別はスペシャリストの技と技とのぶつかり合いだ。
得意種目で頂点に立つべく、しのぎを削る。
決勝に残れるのはわずか8人。
失敗のリスクを恐れず攻めるのか、確実な技でミスをなくすのか———。
その駆け引きは予選からもう、始まっている。
さらに、今大会の結果は世界選手権への切符もかかっている。
すでに男女3人ずつが決まっており、残る枠は3つ。そのためには男女とも優勝は最低条件。男子ではそれと同時に各種目の派遣標準得点※を満たすことが条件になる。
プレッシャーのかかる中で、高い難度の技を繰り出し、まずは決勝戦への出場権を獲得する。

※派遣標準得点・・・ゆか=16.000、あん馬=15.900、つり輪=15.800、跳馬=15.500、平行棒=15.900、鉄棒=16.200

 

2014全日本種目別ー山室
力を入れながらも美しい体線を出す山室のつり輪

ゆかではすでに世界選手権代表入りを決めている加藤凌平(順天堂大学:15.500)を筆頭に、谷川航(市立船橋高校:15.350で3位)や佐藤巧(徳州会:14.750で8位)らが明日の決勝へコマを進めた。

あん馬では前年度優勝者の長谷川智将が、やや安定感を欠きながらも大きなミス無く演技を通し切り、1位(14.950)で予選を通過した。先のNHK杯であん馬の最高得点をマークした萱和麿(習志野高校)はDスコア7.1の構成で臨んだが、落下があり予選通過はならなかった。また山室光史(KONAMI)は安定した演技を見せながらも終末技で手を滑らせて落下し、惜しくも予選通過とはならなかった。

つり輪ではスペシャリストの山室光史(KONAMI)が、難度を落とした構成ながらも唯一の15点台をマークし、余裕の予選通過を決めた。

跳馬では前年度優勝者の小倉佳祐(早稲田大学)がロペスとヨーIIで15.225をマークし、予選トップ通過を果たした。世界的にも珍しいDスコア6.4の大技リ・セグァンを決めた鈴田佳祐(福岡大学:15.100で2位)、ドラグレスクを決めた佐藤巧(徳州会:15.000で3位)が続いた。山室光史(KONAMI)はロペスの着地で大きくバランスを崩して転倒し、決勝進出はならなかった。

激戦区となった平行棒では、抜群の安定感で15.450を出した田中佑典(KONAMI)から14.900の萱和麿(習志野高校)までが予選通過となった。昨年、一昨年と2連覇していた小林研也(KONAMI)は、着地で大きく1歩踏み出す以外は目立ったミスがなかったが、14.850で惜しくも決勝進出を逃した。

派遣標準得点への期待が高まる鉄棒では、山本雅賢(徳州会)が15.300で1位通過を果たした。優勝候補の田中佑典(KONAMI:15.200で2位)と植松鉱治(同:15.050で4位)は、いずれも連続技を抜いた安全策の構成で着実に決勝にコマを進めた。

 

一方、女子は若い選手の活躍が非常に目立った試合展開であった。

跳馬では昨年の同大会の優勝者、村上茉愛(池谷幸雄体操倶楽部)が14.350で2位。トップは14.525をたたき出したセインツ体操クラブの宮川紗江となった。一本目のユルチェンコ2回ひねりで14.750と美しい実施で、若干14歳ながら堂々とした演技を披露した。

段違い平行棒ではスマイル体操クラブの内山由綺が1位通過。身長が高く大きく見える演技に加え、落ち着きのある実施で着地をピタリと決めると13.550で決勝へと弾みを付けた。0.1点差で2位となったのは寺本明日香(中京大学)で3位にはここでも14歳と若い、河崎真理菜(とらい体操クラブ)が13.400の高得点をマーク。

平均台はベテラン・美濃部ゆう(朝日生命)が14.150でトップに立ったが、5月に行われた全日本個人総合で3位となり、一気にブレークを果たした平岩優奈(三菱養和体操スクール)が14.050の2位で決勝戦へ。段違い平行棒で14点台をマークしたのはこの2人のみと大健闘であった。13.600で5位となった桒嶋姫子(戸田市スポーツセンター)はアラビアン前宙、バク転からの抱え込み宙返り1回ひねりと、F難度を2つも入れるなど圧巻の演技を見せた。難度の高い技だけではなく、組み合わせ技や一つひとつの動きも安定しており、決勝戦でも台風の目となりそうな存在だ。

ゆかでは全日本個人総合、NHK杯と連覇中の笹田夏実が1位通過(13.300)。最終種目の最終演技者となった笹田は「最後だったのでうまくまとめようと思った」と翌日の決勝へつながる安定した演技をみせた。自身初の世界選手権出場を決めている井上和佳奈(筑波大学)は4位で決勝進出。出場した全3種目(跳馬以外)で8位以内に入っている。
ゆかでは決勝へと進んだ8名のうち4名が年齢制限のため世界選手権の出場権を持たない選手である。跳馬でも高得点を出した宮川はD得点5.800(13.100で4位タイ)、レジックスポーツの土橋ココはD得点5.600(7位)と上位の選手にも全く引けを取らない演技構成である(トップの笹田はこの日のD得点5.300)。

6日に行われる種目別決勝では、予選よりもD得点を上げて挑む選手は多いため、さらに白熱した戦いが見られるだろう。その中で若い選手たちがどこまで健闘するのかにも注目だ。

ゆかの演技をする井上和佳奈。その演技と表情からは自信もうかがえる
ゆかの演技をする井上和佳奈。その演技と表情からは自信もうかがえる

 TEXT : CHIHARU ABE, MASARU “Taroken” MAEDA

About chiharu

駆け出しスポーツライターとして某野球雑誌を中心に活躍中。大学時代に体操競技に携わり、それ以来、”体操愛”に目覚める。独自の人脈で”体操”に関する様々な情報を収集する。

Check Also

カメラマンから見たそれぞれの戦いVol.7

第68回全日本体操種目別選手権 …