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【速報】第68回全日本体操種目別選手権大会 決勝結果

HSK-9316

7月6日に千葉ポートアリーナで全日本体操種目別選手権大会決勝が開催された。
各種目のスペシャリストを決める戦いは、男女ともに白熱した展開となり、会場を歓声が包んだ。
また、今大会で10月に行われる世界選手権の出場者の残り3枠も決定。
5月から続いた世界選手権の出場をかけた争いは、ついに幕を閉じた。
男子代表は、4月のワールドカップで内定を決めていた内村航平(KONAMI)、NHK杯で出場を決めた野々村笙吾(順天堂大学)、加藤凌平(順天堂大学)、種目別決勝で決定した白井健三(岸根高校)、亀山耕平(徳洲会体操クラブ)、田中佑典(KONAMI)だ。
女子の代表はNHK杯ですでに内定している笹田夏実(日本体育大学)、寺本明日香(中京大学)、井上和佳奈(筑波大学)に加え、種目別決勝で出場を決めた村上茉愛(池谷幸雄体操倶楽部)、美濃部ゆう(朝日生命)、平岩優奈(三菱養和体操スクール)となった。

 

2014全日本種目別ー白井健三
怪我を痛がるそぶりみ見せず、ラインオーバーを観客に謝る白井健三

男子ゆかは、普通なら歩けないほどの怪我を右足に負いながらも、白井健三(岸根高校)が抜群の安定感を見せた。ラインオーバーはあったものの、世界選手権の派遣標準得点を上回る16.100で快勝した。

2014全日本種目別ー亀山耕平
美しくも着実な演技でEスコア9.0を出した亀山耕平のあん馬

あん馬では前年度覇者の長谷川智将(日本体育大学)と前年の世界選手権種目別金メダリスト亀山耕平(徳州会)の争いが注目されたが、先に演技した長谷川はDスコア7.1の構成ながらEスコアが伸びず15.350に留まり派遣標準得点の15.900には届かなかった。いっぽう亀山は、Eスコアが伸びにくいあん馬でEスコア9.0を狙って出すという離れ業をやってのけ、Dスコアを6.9に抑えた構成ながらも15.900で優勝すると共に派遣標準得点を叩き出した。

2014全日本種目別ー長野託也
姿勢が不完全ながらもアザリアン上向き中水平を実施した長野託也

つり輪では山室光史(KONAMI)が15.300で優勝した。4位の長野託也(日本大学)までの点差が0.3という接戦になったが、山室が体線の美しさ、力技の畳みかけ、F難度のおり技といった隙の無い演技で第一人者としての貫禄を示した。

2014全日本種目別ー小倉佳祐
昨年と同じ技ながら演技の質をアップさせて跳馬を連覇した小倉佳祐

跳馬では世界的にも珍しいリ・セグァン(ツカハラ2回宙返り1回ひねり:Eスコア6.4)を持つ鈴田佳祐(福岡大学)に注目が集まったが、2本目のローチェで尻もちをついてしまい、残念ながら6位に留まった。昨年に続いて完成度の高いロペスとヨーIIで15.325を叩き出した小倉佳祐(早稲田大学)が堂々の2連覇。

平行棒では、派遣標準得点達成で世界選手権代表入りを狙った田中佑典がマクーツで落下するという波乱の中、すでに代表入りを決めている野々村笙吾が派遣標準得点に達する15.900の高得点で優勝した。

注目が集まった鉄棒では、派遣標準得点を狙って離れ技3連続を用意した植松鉱治(KONAMI)がコバチで痛恨の落下、涙を呑んだ。もうひとりの優勝候補である田中佑典も予定していた構成から0.2低い実施となり、15.750で優勝したものの派遣標準得点の16.200には届かなかった。

この結果、派遣標準得点達成で白井健三と亀山耕平が、種目全般的なチーム貢献度の高さで田中佑典が、それぞれ世界選手権代表の座に就いた。

跳馬で優勝を果たした宮川紗江。Eスコアの高さは圧巻だった

女子の跳馬では、14歳の宮川紗江(セインツ体操クラブ)が14.675で前年の優勝者の村上茉愛(池谷幸雄体操倶楽部)を抜いて初優勝を果たした。1本目のユルチェンコ2回ひねりでは着地でわずかに1歩動くもEスコア9.05、2本目の転回伸身前宙1/2ひねりでもEスコア9.1と高さのある跳躍、空中姿勢の美しさなどレベルの高さを見せつけた。
連覇、そして世界選手権への出場権をかけて挑んだ村上は、14.350で2位。大きなミスこそなかったが、着地で頭が下がるなど細かいミスが見られた。3位は14.050寺本明日香(中京大学)となった。

段違い平行棒では寺本明日香が13.850で優勝を果たした。高さのある離れ技に連続技を加えて加点を稼ぐなど、Dスコア6.1は女子では唯一6点台の構成だ。着地のムーンサルトもしっかり決めるなど力強い堂々とした演技を見せた。
予選を1位通過し、初優勝も期待された内山由綺(スマイル体操クラブ)は13.750で2位となった。雄大でしなやかな演技はまだまだ伸びしろを感じさせ、今後への期待を抱かせた。3位の国士舘大学・大瀧千波は屈身トカチェフやギンガー、トカチェフと離れ技3つを入れる迫力のある演技を見せた。

落下のリスクが高い平均台だが、攻める演技で会場を沸かせた。世界選手権のため優勝が至上命題だった平岩優奈(三菱養和体操スクール)と美濃部ゆう(朝日生命)が13.950で優勝を分け合った。ともに世界選手権への切符も手にし、笑顔を見せた。
F難度の大技を2つも入れDスコア6.3の構成で挑んだ、12歳の桒嶋姫子(戸田市スポーツセンター)はしっかりと技を成功させるも13.450で6位であった。
13.800で3位となった井上和佳奈(筑波大学)はフラつきの少ない安定した演技で、世界選手権へ自信を深める演技であった。

F難度を2つ入れる構成で挑んだ桒嶋姫子。会場を大いに沸かせた
F難度を2つ入れる構成で挑んだ桒嶋姫子。会場を大いに沸かせた

女子の花形、ゆかでは高難度の技が飛び出すなど技でも演技でも観客を魅了した。

跳馬で優勝を逃し何としてもゆかで世界選手権への出場権を獲得したい村上は、予選では封印したH難度のシリバスをしっかりと成功。腰や足首の痛みに耐え、13.800の高得点で2年ぶりの優勝を果たした。
跳馬で優勝し、勢いに乗る宮川はゆかでも魅せる。伸身前宙からの抱え込み前宙ダブルで会場を沸かせると、終末技で伸身ダブルを行うという日本の女子では唯一行っている構成で、非常に高いレベルを見せつけた。だがその伸身ダブルでラインオーバーとなり、13.700で惜しくも2位。3位の井上和佳奈もF難度の3回半ひねりを成功させると最後の3回ひねりもしっかりと決めた。

非常にレベルの高い争いとなった女子の種目別選手権。世界に通用するチームへ、確実に女子のレベルは上がってきている。

 

ゆかで連覇を果たした村上茉愛。自信あふれる演技で世界選手権への切符もつかんだ
ゆかで連覇を果たした村上茉愛。自信あふれる演技で世界選手権への切符もつかんだ

About chiharu

駆け出しスポーツライターとして某野球雑誌を中心に活躍中。大学時代に体操競技に携わり、それ以来、”体操愛”に目覚める。独自の人脈で”体操”に関する様々な情報を収集する。

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