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30歳の再チャレンジ

16歳で全日本個人総合初優勝、史上3人目のNHK杯4連覇、2004年アテネオリンピック出場。このような輝かしい戦績を残しつつ、2009年の国体を最後に石坂真奈美は現役引退を表明した。石坂のNHK杯5連覇を阻止したのは後輩の鶴見虹子だった。

 

石坂真奈美
段違い平行棒では年齢とブランクを全く感じさせない演技を披露した石坂真奈美

 

朝日生命で指導をしながら、2年ほど前から漠然と選手復帰は考えていた。背中を押したのは「ママはどうして試合に出ないの?」という6歳の息子の言葉だった。

東京で全日本シニア選手権が行われることを知り、それならばと7年ぶりに練習を再開したのは4ヶ月前のこと。仕事と両立させながらの練習は週に2〜3日、1度の練習で2時間が体力の限界だった。

当初は体操の愛好家が集う全日本マスターズ(旧全日本シニア2部)に出場するつもりだったが、職場の上司でもあり、かつての自身のコーチでもある塚原千恵子氏の勧めもあって全日本シニアの団体に出場することになった。

 

石坂真奈美の跳馬
跳馬では伸身ユルチェンコ1回ひねりを見事に決め13.650でチーム優勝に貢献した石坂真奈美

 

試合前は足が震えるほど緊張するのではないかと思っていた。でもいざ器具の前に立つとそうでもなかった。スタートの平均台こそ落下があったものの、ゆかでは7年ぶりと思えないほどの動きを見せ、段違い平行棒ではトカチェフにムーンサルト、跳馬では伸身ユルチェンコ1回ひねりを決め報道陣を驚かせる。

石坂真奈美
ママの笑顔は会場全体を魅了する

 

結果、チームの優勝に貢献し、個人総合でも5位と大活躍。「平均台でミスが出たけど、許されるなら全日本団体にも出たい」と語るママジムナスト。

チュソビチナに続けとばかりに、日本女子体操界に新たなタイプのスターが誕生した瞬間だった。

ママジムナスト
子供達の声援に支えられたママジムナストの特別表彰も行われた(左から石坂真奈美、オクサナ・チュソビチナ;朝日生命、知識佳穂理;Ramona体操クラブ)

 

TEXT : Masaru “TAROKEN” Maeda

About taroken

GymnasticsNews Radio Showのメインパーソナリティ、ライター。 学生時代に体操の選手の経験あり。体操ファン歴は中学生時代から。 静岡県体操協会男子3種審判資格あり。 ポッドキャスターとしては体操の他、Apple製品、IT関連、鉄道系の番組にも出演中。

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