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【速報】第71回全日本個人総合 決勝 結果 薄氷の10連覇

2017年4月9日(日)、東京体育館にて全日本個人総合の決勝が行われた。

全日本個人総合 満員の観客席
記者席が減らされるほどの大観衆が見守る中、全日本個人総合の決勝が行われた。

 

男子は10連覇が期待されながらも予選で平行棒にミスが出て4位通過となった内村航平(リンガーハット)に、いつも以上の注目が集まった。

全日本個人総合 内村のゆか
出だしのゆかを大きなミスなく乗り切り、調子を取り戻したかに見えた内村だったが…

 

内村はゆかを目立ったミスなく乗り切り、予選の不調を払拭したかに見えた。しかし次のあん馬の下り技でバランスを崩して腕が曲がるミス。つり輪は無難に通したが、跳馬はリー・シャオペンと比べて0.6も価値点が低いシューフェルト(D5.2)のため、それほど点が伸びない。種目を終えるたびに電光掲示板の暫定1位の位置には内村の名前が挙がったり、他の選手の名前が上がったりと安定しない。

全日本個人総合 白井健三のゆか
ゆかはもちろん白井健三がダントツのトップ(15.600)

 

全日本個人総合 千葉健太のゆか
予選1位通過の千葉健太(順天堂大)も内村をじわじわ追い詰める

 

全日本個人総合 谷川航のゆか
予選2位通過の谷川航(順天堂大)もゆかは得意だ。0.2点差で内村の後を追う。

 

内村が常々キーとなると語る5種目目の平行棒。予選でミスが出たマクーツ(E)を抜き、同じくミスが出た屈伸ベーレ(E)を抱え込みベーレ(D)へと難度を落としてまとめた。

全日本個人総合 内村の平行棒
跳馬が終わった時点で既に腕に疲れが出ていた内村。予選で大きなミスが出た平行棒に必死に食らいつく。

 

しかしながらDスコアが落ちたため、決定点で白井健三(日体大)より低くなり、最終種目の鉄棒を残して0.05点差で白井健三がトップに立った。

全日本個人総合 千葉健太の平行棒
残念ながら平行棒で落下がありトップ争いから脱落してしまった千葉健太

 

全日本個人総合 田中佑典の平行棒
棒下マクーツ(ヤマムロ;G)、マクーツ(E)、着地をことごとく決め、本領を発揮した田中佑典

 

さらに内村の下には0.45点差で元チームメイトで鉄棒のスペシャリスト田中佑典(コナミスポーツ)がいる。

全日本個人総合 田中佑典の鉄棒
難度こそ万全ではないものの鉄棒スペシャリストの力を見せつけた田中佑典

 

田中佑典が1番手でさすがの演技を行い14.850。内村も鉄棒は得意だが、体力に限界がきておりいつもの安定感がない。

全日本個人総合 内村の鉄棒
体力の限界に来ていた内村。らしくない実施ではあったが何とかこなした。

 

屈伸コバチ(E)の後の車輪でやや腕が曲がり、カッシーナ(G)では近づきすぎてかなり腕を曲げての車輪になる。新ルールから組み合わせ加点が取れなくなったアドラーひねり(D)からのコールマン(F)では、もはや他の選手では車輪に持ち込むのは無理と思われるほど鉄棒に近づきすぎたが、肘を思い切り曲げて強引に車輪に繋げる。新ルールで、鉄棒を越えながら宙返りするはなれ技は、鉄棒を掴んだ後に車輪に繋げないと0.3減点されるようになったため、無理をしてでも車輪に持ち込まざるを得ない。

全日本個人総合 内村の鉄棒
着地こそ何とか止めたが、如何に厳しい戦いだったかがその表情から窺い知れる。

 

着地は止めたが、減点が大きく14.450に留まった。

白井健三が14.500を上回る点を出せば内村の10連覇は阻止され白井の初優勝が決まる。そしてそれは世代交代をも意味する。しかしながら白井健三の鉄棒のDスコアはそれほど高くはない。ヴィンクラー(伸身イエガー1回ひねり)がルール改定でEからFに上がったとは言え、果たして14.500以上を出せるのか?

全日本個人総合 白井健三の鉄棒
白井健三の抱え込みコバチは安定してきたが、D難度なので得点力はそれほど大きくない。

 

白井は鉄棒を大きなミスなくこなしたが、得点は14.150に留まり、結果的には内村が10連覇達成、田中佑典が0.05点差で2位、3位が白井健三となった。

もつれにもつれた全日本個人総合のトップ争い。結果だけ見れば1位内村、2位田中佑典というこれまでと変わらない順位だった。しかしながら大学生世代との力の差は確実に縮まってきている。いつ世代交代が起こっても不思議ではない。新たな時代の幕開けを感じさせる全日本個人総合であった。

 

全日本個人総合 村上茉愛の平均台
村上茉愛の安定した平均台。もはや得意種目と言ってもいいのではないだろうか。

 

女子は村上茉愛(日体大)の強さを改めて痛感した試合だった。自ら「1種目目がうまくいくと調子が出るタイプ」と語る村上茉愛は得意の跳馬で伸身ユルチェンコ2回ひねり(D5.4)を成功させるや暫定1位に立ち、そこから落ちることは1度もなかった。

全日本個人総合 村上茉愛のゆか
「失敗する可能性はほとんどない」と言う村上茉愛のゆか。確かに見ていて失敗する気がしない。

 

段違い平行棒こそ他のトップ選手の後塵を拝したものの、平均台とゆかでは唯一の14点台をマークした。2位の杉原愛子(朝日生命)に2.000の大差をつけての圧勝だった。

全日本個人総合 杉原愛子の平均台
次の世代の追い上げを振り切って2位につけた杉原愛子

 

全日本個人総合 梶田凪の段違い平行棒
杉原愛子に0.65点差まで迫り3位となった梶田凪

 

全日本個人総合 中路紫帆の平均台
平均台では村上茉愛に次ぐ2位の得点を出した中路紫帆の平均台

 

だが3位には梶田凪(山梨ジュニア体操クラブ)が、4位には中路紫帆(戸田市スポーツセンター)がなを連ね、こちらも若い世代の台頭が目立つ全日本個人総合となった。寺本明日香(レジックスポーツ/中京大学)は平均台での落下が響き、5位となった。

全日本個人総合 寺本明日香の段違い平行棒
段違い平行棒では最高得点の13.950をマークしたが、平均台での落下が悔やまれる寺本明日香

 

5月には今回の決勝進出者が再び競い合うNHK杯が行われる。

 

Text : Masaru “TAROKEN” Maeda

About taroken

GymnasticsNews Radio Showのメインパーソナリティ、ライター。 学生時代に体操の選手の経験あり。体操ファン歴は中学生時代から。 静岡県体操協会男子3種審判資格あり。 ポッドキャスターとしては体操の他、Apple製品、IT関連、鉄道系の番組にも出演中。

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