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【速報】男子世界選手権代表 公開試技会

2018年10月2日、世界選手権の日本チーム予選開始時間と同じ朝9時より、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都)にて男子代表の試技会が行われた。

 

TAISHAN
本番同様にタイシャンの器具を揃えたナショナルトレーニングセンターで試技会が行われた。

 

まず目に飛び込んだのは、取材陣に配られた配布資料に記載された、内村航平(リンガーハット)が右足首を負傷したという情報だった。9月25日の練習中に、跳馬のヨー2の着地で負傷したもので、昨年の世界選手権で痛めた部分とは反対側の靱帯を損傷した。ただ昨年の負傷と比べて程度は軽く、すぐに歩けるようになったという。

 

内村航平 リンガーハット
一時は世界選手権欠場も頭をかすめたという内村だが、今は前向きに治療に取り組んでいる。

 

通常であれば特に治療を施さなくとも2週間程度で治るが、早く完治させるために、外部から強い衝撃を与えて治癒を促す体外衝撃波治療を取り入れるなど、全種目出場への希望は捨てていない。

だが今回は大事をとってゆかと跳馬を除く4種目のみ演技し、その4種目でも下り技は実施しなかった。

 

萱 和磨 順天堂大学
個人総合出場も想定して6種目全てを準備していると語る萱和磨

 

ドーハ世界選手権では、日本男子は昨年と同じつり輪から始まる。2日目の朝9時から始まるローテーションに合わせて、この日も朝9時からの試技会スタートとなった。

つり輪で目を引いたのは萱和磨(順天堂大)の成長だった。つい最近までは構成に難度の低い技が入っており、苦手種目の印象があった。しかしこの日はD難度以上の力技をふんだんに盛り込み、下り技はチームの中で唯一、F難度の伸身新月面を行なった。

「いつでも6種目出られるように準備をしている」と語る萱は着実にオールラウンダーとして1歩も2歩も踏み出しているようだ。

 

白井健三 日本体育大学
昨年の種目別跳馬金メダリストの白井。今年も白井旋風が吹くのか?

 

次の跳馬では、種目別決勝を狙って白井健三(日体大)がシライ/キムヒフン(D5.6)とドリッグス(D5.2)を、谷川航(順天堂大)がブラニク(D5.6)とロペス(D5.6)の2本を跳んだ。

 

田中佑典 コナミ
痛めた右腕を物ともせず、平行棒で実力を見せつけた田中佑典

 

3種目目の平行棒では、田中佑典(コナミスポーツ)が実力を見せつけた。ヤマムロ(棒下マクーツ;G)を安定してこなし15点近い点をマーク。右腕を負傷しているため、得意の平行棒と鉄棒に絞って演技したが、平行棒では負傷を感じさせない流石の実施を見せつけた。

 

内村航平 リンガーハット
流石の安定感と出来栄えを見せた内村の鉄棒

 

4種目目は鉄棒。田中佑典が負傷のため難度を落としている中、光ったのは内村航平だった。下り技こそ実施しなかったものの、カッシーナ(G)等のはなれ技からアドラー1回ひねり逆手(E)等の回転系の技まで幅広くこなし、着地をやっていれば15点台に乗ろうかという得点を叩き出した。

 

谷川翔 順天堂大学
ゆかでEスコアが最も高かったのは補欠の谷川翔(順天堂大)だった。

 

5種目目のゆかになると、全員に疲れが見え始めた。特にドーハ世界選手権で使われるタイシャン(中国製)のフロアは、「芝生でやっているように(白井)」跳ねないため1回1回の宙返りで体力と気を使う。終末技の3回ひねり(D)がなかなか止まらない。

 

白井健三 日本体育大学
あん馬で安定感を見せたのは意外にも白井健三だった。

 

そして問題の最終種目、あん馬を迎える。日本の器具でも最後にあん馬というのが如何に苦しいかは、想像に難くない。その上、5種目目のゆかで体力と気力を奪われている。世界選手権の予選では、あん馬が一つの鍵を握るだろう。

今回の試技会でも内村がDコンバインで落下。谷川航はセア倒立(D)で片手がポメルから落ち、萱はブズナリ(F)で落下。

その悪い流れを断ち切ったのは白井健三だった。今シーズンから取り入れた、体の向きを変えながら馬端から馬端まで移動するモギルニー(D)を含めて全てをミスなく通し切った。白井が常々、口にしている「いつでもどこでも出来る」はゆかや跳馬だけでなく、あん馬でも貫かれていた。

 

白井健三 日本体育大学
「いつでもどこでも出来る」そしてチームのムードメーカーも果たす。白井は着実にチームの中心になってきている。

 

長谷川智將 徳洲会体操クラブ
代表選手の演技の後に、補欠選手の試技も行われた。あん馬では補欠の長谷川智将(徳洲会)が15点超えの高得点をマークした。

 

この後、世界選手権のスケジュールに合わせて中2日で決勝を想定した試技会(非公開)を行い、10月26日(現地時間)の本番に備える。

 

TEXT : Masaru “TAROKEN” Maeda

About taroken

タロケン:GymnasticsNews Radio Showのメインパーソナリティ、ライター。 学生時代に体操の選手の経験あり。体操ファン歴は中学生時代から。 静岡県体操協会男子2種審判資格あり。 ポッドキャスターとしては体操の他、Apple製品、IT関連、鉄道系の番組にも出演中。HP:タロケン.link

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