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【速報】ドーハ世界選手権 男子個人総合決勝

2018年10月31日(現地時間)、世界選手権が連日行われているドーハ(カタール)のアスパイアドームにて、男子個人総合決勝が行われた。

 

ドーハ世界選手権男子個人総合
男子個人総合では紹介動画を交えて開始種目ごとの入場。

 

出場したのは予選トップ通過を果たしたシャオ・ルーテン(中国)や2位通過のニキータ・ナゴルニー(ロシア)、3位通過のサミュエル・ミクラック (アメリカ)等の16カ国24名。日本からは白井健三(日体大)と萱和磨(順天堂大)が出場した。

 

白井健三 ドーハ
ゆかでは14.900の最高得点を挙げた白井健三だが、続く2種目のことを考えると、もっと貯金が欲しいところだ。

 

予選6位通過だった白井はルーテン、ナゴルニー、アルツール・ダラロヤン(ロシア)らと共にゆかからの正ローテーション。予選、団体決勝と同じく伸身リ・ジョンソン(H)を抜き、最後に3回ひねり(D)の構成で14.900。ゆかの最高得点ではあるが、抱え込みリ・ジョンソン(G)ではそれ程インパクトはなく、ダラロヤンが14.800、高さのある3回宙(H)を行うナゴルニーが14.733と大差はつかず、スタートダッシュを決めることができない。

 

萱和磨 ドーハ
得意のあん馬からのスタートとなった萱和磨。手堅くノーミスで通過。

 

あん馬スタートとなった萱も、ブズナリ(F)を抜いた構成でまとめて14.100と手堅く行く。

 

カルロス・ユロ
萱と同じ組で個人総合決勝に進出したカルロス・ユロ(フィリピン)。日本で体操を学んでいる。

 

ミクラック
ミクラックは得意のあん馬で14.300と高得点。

 

2種目目、白井はここから2種目は堪えどころだ。あん馬で危うい場面があったが、何とか乗り切りミスなくまとめて暫定15位。萱はつり輪をほぼ完璧にこなし、下りの伸身ルドルフ(伸身新月面;F)で着地をピタリと決めて14点台に乗せる。暫定15位。この時、跳馬でオレグ・ベルニャエフ(ウクライナ)がドラグレスク(D5.6)で着地を止めて急上昇し、暫定2位となった。

 

オレグ・ベルニャエフ
今では皆がやるバブサーだが、ベルニャエフのそれは雄大な高さがある。

 

3種目目、白井はつり輪をまとめて暫定15位を維持。萱は跳馬でドリッグス(D5.2)をまとめて7位に上昇。ベルニャエフが得意の平行棒を完璧に決めて15.666で暫定1位に立った。2位はルーテン、3位にミクラック 。

 

ダラロヤン ドーハ 跳馬
ダラロヤンが素晴らしいブラニクを決めると、客席から歓声が上がった。

 

4種目目、得意の跳馬で白井がシライ/キムヒフン(D5.6)の着地をピタリと止め15.166で暫定8位に浮上する。萱も得意の平行棒で着地を止めて5位と順位を上げる。鉄棒でベルニャエフがアドラーで戻るミスを出し、着地でも両手をついてしまいトップ争いから脱落。ナゴルニーが跳馬でドラグレスク(前転とび前方かかえ込み2回宙返りひねり;D5.6)を決め14.766、ダラロヤンが見事なブラニク(前転とび前方屈伸2回宙返り;D5.6)で15.133の高得点を出し、暫定1位ルーテン、2位ダラロヤン、3位ナゴルニーとなる。

 

萱和磨 ドーハ 鉄棒
最近の流行とも言える順手背面車輪。萱もその使い手の一人だ。

 

そして迎えた魔の5種目目。このタイミングで疲労が出たり、緊張の糸がぷつりと切れたりとミスが出やすいのだ。日頃から安定感の高い白井の平行棒だが、この日はマクーツ(E)で腕が曲がるミス。それでも14.266で1つ順位を上げて暫定7位に。萱は鉄棒をミスなく決めるが順位は6位。

 

ダラロヤン ドーハ 平行棒
ダラロヤンは平行棒で15.566の高得点。

 

トップ争いではルーテンが完璧とも言える実施をするも、ダラロヤンがそれを上回り暫定1位に、ルーテンは2位と逆転を許す。ナゴルニーの平行棒でも倒立でのぐらつきや、着地後のふらつきがあり、ミクラックが3位、ナゴルニー4位となる。

 

白井健三 ドーハ 鉄棒
ヤマワキ(D)から始まる白井の鉄棒。ノーミスでやり切った。

 

最終種目、上位陣は鉄棒を迎える。白井は団体決勝と同じくコールマン(E)を抜いた構成でミスなくこなし、着地もピタリと止める。ダラロヤンもそれに続き、この時点でトップに立つ。ミクラック がトカチェフハーフ(D)で片手が外れるミスを出し、メダル争いから脱落。ナゴルニーの鉄棒もまずまずだが、ダラロヤンには届かない。そして最終演技者、シャオ・ルーテンが鉄棒に手を伸ばす。トップのダラロヤンとの得点差14.233がスクリーンに大写しとなる。

 

シャオ・ルーテン
ここ一番でリューキンを決めたシャオ・ルーテン

 

ルーテンは、団体決勝で落下したリューキン(伸身トカチェフ1回ひねり;F)をミスなくこなし、着地までほぼ完璧な演技。観客も選手も固唾を飲んでルーテンの得点を待つ。表示された得点は14.233。ダラロヤンと同点だ。

 

シャオ・ルーテン
ダラロヤンの得点に届いたルーテンだったが。

 

しかし同点優勝とはならない。FIGのタイブレーク・ルールにより、それぞれの上位5種目の合計得点を比較し、それが高い方が1位となる。その結果、金メダルに輝いたのはダラロヤンだった。ロシアが男子個人総合で金メダルを獲得するのは14年ぶりの快挙だ。白井と同世代のダラロヤンがそれをやってのけた。

 

ドーハ世界選手権 男子個人総合 メダル
ロシアが14年ぶりに男子個人総合で優勝。ダラロヤン(中央)が金メダル(左はルーテン、右はナゴルニー)。

 

銀メダルがルーテンに、銅メダルはナゴルニーの手に渡る。4位が中国のスン・ウェイ、5位ミクラック 、6位にゆかを無事に乗り切った萱が入った。7位白井、8位ジェームズ・ホール(イギリス)までが入賞となる。

 

ドーハ世界選手権 萱 ゆか
6種目目のゆかまでノーミスでやり切った萱和磨。この経験を東京オリンピックにどう活かすか。

 

萱の成長が著しいが、日本としては20年以上取り続けてきた個人総合のメダルを落とす結果となった。東京オリンピックまであと2年。ここからどう巻き返すのか。日本の体操の真価が問われる。

 

TEXT : Masaru “TAROKEN” Maeda

About taroken

タロケン:GymnasticsNews Radio Showのメインパーソナリティ、ライター。 学生時代に体操の選手の経験あり。体操ファン歴は中学生時代から。 静岡県体操協会男子2種審判資格あり。 ポッドキャスターとしては体操の他、Apple製品、IT関連、鉄道系の番組にも出演中。HP:タロケン.link

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