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新世代のスター誕生 スーパーファイナル 結果

3連休の初日となる11月23日(金)、高崎アリーナ(群馬県)にて、来年のワールドカップ出場者を決める初めての大会、スーパーファイナルが行われた。

 

高崎アリーナ
ライトアップされた高崎アリーナで新たな大会の火蓋が切って落とされた。

 

スーパーファイナルは、2019年から2020年のワールドカップの成績を元に、東京五輪への個人出場枠が獲得できるようになったことから設けられた、新しい大会である。

内村航平(リンガーハット)と田中佑典(コナミスポーツ)を除いたNHK杯12位までの選手と、男子強化本部長推薦選手を合わせた12名で争われた。推薦選手にはインターハイ優勝者の三輪哲平(清風高校3年)と、ユースオリンピック個人総合金メダリストで全日本ジュニア王者でもある北園丈琉(清風高校1年)が選ばれた。

 

三輪哲平
高校生の三輪哲平(写真)と北園丈琉も強化本部長推薦選手として出場した。

 

個人総合で争われ、スーパーファイナル1位の選手は2019年のワールドカップアメリカ大会、ドイツ大会、イギリス大会、東京大会から2大会を選んで出場できる。2位及び3位の選手は上記から1大会に出場できる。

ドーハ世界選手権の個人総合でメダルを獲得すると、自動的にスーパーファイナル1位の権利が与えられることとなっていたが、メダルの獲得がなかったため、今回の大会でスーパーファイナルの1位から3位が決定されることとなった。

 

スーパーファイナル
スーパーファイナルは東京五輪への切符がかかった大会だ。

 

夜6時からのスタート。入場時には大型スクリーンに一人一人の紹介画像が表示され、種目移動時には場内が暗転するという、これまでにない演出も施されている。今回は運営側も初めてのせいか、こなれていない感もあったが、今後回を重ねればNHK杯や全日本団体とはまた違った盛り上がりを見せることだろう。

 

試合は白井健三(日体大)、萱和磨(順天堂大)、谷川航(同)、谷川翔(同)、千葉健太(同)、野々村笙吾(セントラルスポーツ)の6名が1組でゆかスタート、田浦誠也(徳洲会)、前野風哉(鹿屋体育大学)、神本雄也(コナミスポーツ)、三輪哲平、北園丈琉の6名が2組であん馬スタートとなった。

 

白井健三
世界選手権から一月も経っていないが、白井はこの大会のために新しい構成のゆかを用意してきた。

 

第1種目、1組のゆかは、白井が後方伸身宙返り1回半ひねり(C)〜シライ2(前方宙返り3回ひねり;F)〜前方伸身宙返り1回ひねり(C)の3連続を入れた新しい構成で15.333の高得点。野々村もノーミスでガッツポーズが飛び出す。

 

前野風哉
前野にとっては得意種目のはずのあん馬。下りでややミスが出たが、中身は悪くない演技だった。

 

荒屋敷響貴
初っ端のあん馬から攻めた演技を見せた荒屋敷響貴。

 

2組のあん馬は明暗が分かれた。あん馬スタートの緊張からか神本がロシアン旋回で落下。前野も下り技で移動ができずD難度が取れない。その一方、荒屋敷が開脚マジャール(E)と開脚シバド(E)を入れた構成を完璧にこなす。

 

北園丈琉
高校生ながら、開脚旋回を多用したダイナミックなあん馬を見せた北園丈琉。

 

北園丈琉はシニア選手でも実施が少ないアイヒホルン(横向き開脚旋回1回ひねり移動[馬端〜逆馬端〜馬端];E)を入れ、そのほとんどを開脚旋回でこなすダイナミックな構成をノーミスで通し切る。

 

田浦誠也
学生が大半を占める中、神本、野々村とともにシニアの存在感を示した田浦誠也。

 

神本雄也
さすがの演技を見せた神本のつり輪だったが、残念ながら下りでミスが出てしまった。

 

第2種目、1組のあん馬に落下が相次ぐ。谷川航がシバド移動(D)と下りで落下。野々村がトンフィー(D)で落下。千葉がウーゴニアン(E)で落下。さらに2組のつり輪でも、得意種目のはずの神本が下りで両手を付く大過失。ここに来て、6種目ミスなしで乗り切った者が勝つという図式が頭に浮かぶ。

 

野々村笙吾
久々にロペスを決めて見せた野々村笙吾。

 

3種目目は大半の選手が無難に乗り切り、4種目目で一つの山を迎える。1組の跳馬で、野々村が久々のロペス(D5.6)をまとめると、千葉もロペス。その一方で得意種目のはずの谷川航がブラニク(前転とび前方屈伸2回宙返り;D5.6)でまさかの尻餅をつくミス。

 

千葉健太
千葉健太もロペスを見せた。

 

2組は平行棒で、北園が倒立に上げられずダブルスイングのミスを出す一方、三輪が着地までピタリと止めてガッツポーズの14.600。さらに神本がアームツイスト(E)を入れて14.766の高得点を出す。

 

萱和磨
ここまでノーミスで来た萱和磨。最後までこの調子でいくかと思われたのだが。

 

そして誰にとっても鬼門の5種目目を迎える。1組の平行棒では、白井とともに絶好調のままノーミスで走り切るかに思えた萱が、ティッペルトでバーの上に乗ってしまうという、萱としては珍しい凡ミスで13.433に留まる。

 

三輪哲平
着地までピタリと止めた三輪哲平の鉄棒。

 

2組の鉄棒では、三輪が完璧な演技で着地まで止めて14.200を出す中、荒屋敷が伸身トカチェフ(D)で落下、比較的好調だった前野が下り技で尻餅をつき順位を下げる。

気がつくと最終種目を残して、2位に高校生の三輪哲平の名前があった。3位が萱和磨だ。

1組の選手はいずれも鉄棒はそれほど難度が高くない。また三輪哲平のゆかは、ミスなく通せばそこそこの点が出る内容だ。このままいくと高校生の三輪が2位を維持するかもしれない。

 

萱和磨
鉄棒をノーミスで乗り切った萱であったが。

 

最終種目。2組はゆかだ。三輪は2人目に演技し、ラインオーバーはあったものの大きなミスなくまとめて13.833。1組の鉄棒では、萱が5人目に演技してミスなく通したが13.900。最終演技者の白井がほぼ完璧な演技で大会を締めた。

オーロラビジョンに表示された結果は。

 

スーパーファイナル表彰
大学4年の白井と萱の間に割って入った高校3年の三輪哲平。

 

1位白井、2位三輪、3位萱だ。世界選手権個人総合6位の萱和磨を高校生の三輪哲平が抜いてしまった。

 

三輪哲平
表彰式でのインタビューに答える三輪哲平。

 

大会後、記者の「あこがれている選手は?」の質問に間髪入れずに「内村航平選手です」と答えた三輪哲平。この大会でも優勝を目標に取り組んできたという。白井や萱を新世代と思っていたが、すでに次の世代が東京にむけて力をつけてきているのだ。

 

TEXT : Masaru “TAROKEN” Maeda

About taroken

タロケン:GymnasticsNews Radio Showのメインパーソナリティ、ライター。 学生時代に体操の選手の経験あり。体操ファン歴は中学生時代から。 静岡県体操協会男子2種審判資格あり。 ポッドキャスターとしては体操の他、Apple製品、IT関連、鉄道系の番組にも出演中。HP:タロケン.link