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【速報】次代を担う若手の台頭~NHK杯男子 結果

2019年5月19日(日)、武蔵野の森総合スポーツプラザにて男子NHK杯が行われた。

世界選手権の代表枠を懸け、緊張感が漂う中大会はスタートした

 

今大会は10月にドイツ・シュツットガルトで行われる世界選手権の出場枠がかかっている。4月に行われた全日本個人総合選手権での得点と今大会の得点を合計した上位3名が代表枠に内定するため、全日本個人総合上位6名による争いになることが予想された。内村航平(リンガーハット)がまさかの予選落ちでNHK杯には出場しておらず、世界選手権常連の白井健三(日体大大学院/鶴見ジュニア)が30位スタート。それにより“次代を担う若手”たちの争いに注目が集まった。

ミスのない安定した演技で5位から怒濤の追い上げを見せた谷川航。次代のエース候補として名乗りを上げた

 

点差が大きく動いたのは2種目目のあん馬だった。6位スタートの前野風哉(セントラル)は試合前の時点でトップの谷川翔(順天堂大)と1.868点差。ミスが許されない状況の中で2度の落下となり、代表争いから脱落してしまう。
さらに跳馬では野々村笙吾(セントラル)がロペスで尻もち。「チャレンジしようと決めていたので後悔はしていない」と話したが、こちらも代表枠入りは厳しくなった。

世界戦の代表を狙い攻めの姿勢を貫いたが、細かなミスもあり5位となった野々村。だが「手応えはかなりある」と前を向いた

 

残りの2種目を前に代表枠争いは4人に絞られた。あん馬で落下し、一気に点差を詰められたトップスタートの谷川翔、2位スタートながら攻めの姿勢を貫いた萱和磨(セントラル)、全日本個人総合3位で台風の目となっている武田一志(徳州会)、5位スタートではあるが、前評判では優勝もあり得ると目された翔の兄・谷川航(セントラル)。
その緊張感の中、点差は大きく動かず決着は最終種目の鉄棒へ。昨年、谷川翔はこの鉄棒で落下し、代表を逃した。その光景が頭をよぎったが、1年前とは違う姿を見せつけた。決して小さくなることなく、演技を通しきり着地の伸身ムーンサルトまできっちり決めると、悲願の初優勝。ホッとした笑顔で2位となった兄の航、3位の萱と喜びを分かち合った。

3位で世界戦への出場を内定させた萱。2位の谷川航との点差はわずか0.002点だった

 

試合中も大形ビジョンに映るカメラに向かって笑顔でピースサインを送るなど、リラックスした表情を見せていた谷川翔だが、表彰式では「本当に今日一日が怖くて、本当に怖くて。自分がやってきたことに自信を持とうと。感動ものでした」と涙。20歳にはあまりにも大きな重圧。それを自身の力ではねのけ、昨年の借りを返した。

表彰式では重圧から解放され涙を見せた谷川翔だが、笑顔で初優勝の喜びに浸った

 

惜しくも代表入りとはならなかったが、確かな力を見せつけた武田は「攻めの姿勢が足りなかった。これが代表経験を重ねている選手との違い」と試合を振り返り、課題と手ごたえを口にした。

武田はあと一歩のところで世界戦への切符を逃したが、種目別選手権に向け気持ちを切り替えた

 

6位に入ったのは市立船橋高の橋本大輝。水鳥寿思男子強化本部長も期待する新生だ。代表枠残りの2名は6月に行われる種目別選手権で決定するだけに、橋本ももちろんその枠を狙っている。

高校生ながら堂々とした実施で6位に食い込んだ橋本。今後の活躍にも注目の選手だ

 

またこの日は、種目別枠の試合も行われており、安里圭亮(相好体操クラブ)が、Dスコア6.4の新技・屈伸のリ・セグァンを披露した。「(Dスコア)6.0の壁を超えたいと思っていた」と練習を開始し、本番同様のマットでの実施は今回で2回目という驚きのカミングアウト。手をついてしまい減点とはなったが、技は認められており来月の種目別選手権に向け、さらに完成度を高めていく予定だ。

今年の世界選手権は、2020年の東京オリンピックへの布石として重要な大会となる。それだけに若手の勢いもベテランの底力もまだまだとどまることはなさそうだ。

 

Text : Chiharu Abe
Photo :Masaru “TAROKEN” Maeda

 

About chiharu

ちはる:スポーツライターとして野球雑誌を中心に活躍中。大学時代に体操競技に携わり、それ以来、”体操愛”に目覚める。独自の人脈で”体操”に関する様々な情報を収集する。

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